1月25日に発売となりました『バイオハザードRe:2』ですが、前作『バイオハザード7』同様に過激な表現を抑えた全年齢版と、より過激なゴア表現の含まれるZバージョン(18以上のみを対象)との2形態で販売されています。
ゾンビゲームという題材につきもののゴア表現。魅力の一つでもありますが、特にグラフィックの向上した現代のゲームでは不快に思う方もいると思います。
今回私も国内Zバージョンを購入して、実際にいくつかのゴア表現について確認できましたので、購入に際しての判断の参考になれば幸いです(一部、体験版(全年齢版)との比較もします)。
また、フライングゲットしたプレイヤーにリークされて発売前からネットに上がっていた情報なのですが、これまた前作同様に国内版はZバージョンでもメーカーの自主規制により北米版とは表現に差異があるようです。
当然ながら、今回の記事には過激な表現の画像が含まれます。閲覧にはご注意ください。
攻撃によるゾンビの身体欠損
本作において一番気になる点はシューティングゲームとしての”的”でもある、ゾンビを攻撃した際の欠損についてだと思います。
オリジナル版の『バイオ2』を含め、バイオハザードのメインシリーズは国内版ソフトにおいても『コードベロニカ』等の一部の作品を除いて、ゾンビの頭部がヘッドショット等によって欠損するデザインでしたから。
バイオシリーズでは頭部破壊は爽快感を演出するだけでなく、ゾンビを一撃で倒すことのできるクリティカルヒットや、倒したゾンビの復活を防ぐための手段として、ゲームデザインにも関わっていたので欠損するか否かは実はなかなか大事な問題なのです。
ということで早速検証。*画像はクリックで大きくなります。
まずは頭部。
本作ではゾンビの頭部をハンドガンで照準が収束するまで狙ってから撃った際まれに、または従来作品のように近くからショットガンで撃った際の多くの場合に、派手な音や出血によるヘッドショットのエフェクトが発生します。
ヘッドショットが決まるとオリジナル版の『2』のように首から上がまるまる無くなったりはしないものの、確かに頭部が壊れる表現がなされるようです(ゲームシステムとしては頭部が破壊されるとゾンビが復活しなくなります)。
オリジナル版と比べて表現が派手ではなくなっているのは、自主規制の結果なのか、リアリティを追求したからなのかはわかりませんが、より生々しく、恐ろしくなったようにも感じます。
続いて胴体や四肢。
オリジナル版ではレオン編で手に入るカスタムショットガンでゾンビを撃つとほぼ確実に下半身が分断されてしまったのですが、本作では一見するとそこまで簡単には分断はされない印象…。
しかし、ゾンビをショットガンやナイフのような切断能力(?)の高い武器で追撃するとやはり切れてしまいます。
足を破壊することで立ち上がって追ってくるのを阻止することができ、ゲームシステムとしてもしっかり活かされています。こういう要素が規制によって失われてしまうのはとても残念なのでこれはよかったです。
また、オリジナル版ではゾンビに対しては単に強力な武器でしかなかった硫酸弾ですが、本作では命中したゾンビの体をもろくすることができるという新要素が。演出とゲームとしての戦術の面白さが結びついた素晴らしい改変だと思います。
また、ゾンビだけに限らず多くの敵キャラクターが爆発物や可燃物による攻撃で炭のように真っ黒に焦げてしまいます。
人間の場合のゴア表現
本作の国内版と海外版とでは、生きた人間のダメージ描写に大きな違いがあるようです。
2018年のE3トレーラーにも、配信された体験版にも登場した”シャッターの向こうで警官が下半身を喰われるシーン”ですが、ここが両者の違いが最も目立つというか、国内版の表現が不自然に感じたシーンです。
*海外版のトレーラーです。グロテスクな表現が苦手な方、18歳未満の方は閲覧をご遠慮下さい。(今更ですが…)
このトレーラーの該当シーンを見ると、喰われた警官の下半身が無くなって内臓が一部露出してしまっています。
しかし、国内版では体験版(全年齢向け)、Zバージョンともに下半身の欠損が削除されています。
これまでも日本国内ではZ指定のゲームであってもゾンビやグールではない人間については欠損表現が削除されたゲームがいくつかあります。これが今のカプコンのCERO Z指定作品における自主規制のラインなのだと思われます。
しかし、このシーンに関しては明らかにシャッターによって下半身が隠れていることを活かして、ショッキングな演出を意図していると思われますので、変更されてしまったのが残念です。
シャッターの向こうで襲われた体を引っ張ったら、そのまま出てくるというのは少し妙な印象でした。
他にも怪物に頭部を潰されてしまうキャラクターもいるのですが、そちらの場合は目が少し飛び出るような表現がありました。これは十分恐ろしいものでしたが、国内向けに多少マイルドになっている可能性はあります。
しかし、どういうことなのか主人公の敗北シーンに関しては国内版バイオシリーズでも屈指のゴア表現が含まれていました。
あくまでも黒塗りではっきりとは描写されていないものの、ゾンビに倒されてしまうと、人間であるはずの主人公の首の肉が食いちぎられたり、内臓が出たりしてしまいます(顔をつぶされるようなモーションの場合は画面の外で演出されます)。
できるだけ作ったそのままの表現を国内向けにも発表してくれたのだと思いますが、主人公キャラがひどい目に合うのは見たくないという人は全年齢版をプレイした方がいいかもしれませんね。
バイオハザードRE:2のゴア表現 まとめ
全年齢版とZバージョンの2つの形態で発売された『バイオハザードRE:2』でしたが、本作のZバージョンにおけるゴア表現はおおまかにまとめると
- ゾンビに関しては、ゲームデザインを損なわない範囲で頭部も破損するし、四肢や胴体も分断される。ただし、頭部がまるごと無くなることはなく、体の断面や内臓のような内側は黒塗りで表現される。
- イベントで登場する人間キャラクターは下半身の切断や内臓の露出がない。(追記:ステージに配置されている犠牲者には四肢が失われているものもあります)
- 主人公が敗北する演出では、暗く見辛くはなっているものの噛みちぎられる肉や、内臓が描写される(頭部の切断等は画面内で直接描写されない)。
という感じです。
やはり海外版とは一部表現が異なるようですから、Zバージョンとして出している意味がない、Zバージョンという売り方は完全に規制がないように見えてややこしいと批判的になる方や、海外版を購入する方がいるのも仕方ないかなぁと思います。
個人的には国内版も十分頑張って攻めた表現をしてくれたと思います。無規制のものは熱心なゾンビやスプラッターのファンでなければホラーに慣れた大人でも嫌悪感を持ってもおかしくないレベルのものですので…。
なにより、両形態あることで、より多くのプレイヤーのニーズにも対応できますし、18歳未満の人にも手に取ってもらう機会を設けることができるという点では良い判断だったと思います。